2016年06月03日
さだまさしさんのコラム 「風のうた」 静岡新聞の夕刊より


6月10日は「時の記念日」です。6月2日の静岡新聞夕刊にさだまさしさんの「風のうた」というコラムで時計にまつわる話が掲載されていたのでご紹介します。
~ 時の記念日 ~
昔の時計はぜんまい式だったので「遅れ気味」の時計は「ハズレ」で「進みがち」を「アタリ」などと言ったものだ。腕時計ならなおさらで、遅れ気味の時計ならば電車に乗り遅れてしまう、というわけだ。
時間通りにやってくる電車もすごいが、日本人の几帳面さもすごい。だから当然日本製の時計は正確さにおいて世界をリードするわけで、やがて腕時計も自動巻きになり、電池式になって月差何秒などという「クォーツ時計」が出現した時には随分驚いたが、今や電波やGPSを使い、世界中どこにいても直ちにその町の正確な標準時が表示される時計もある。
さて外国に行くとどの国も時間の感覚はかなりいいかげんで、飛行機だろうが列車だろうがなかなか「定刻」を期待できない。ひょっとしてこれは持っている時計の性能によるものかしらんと思うほどだ。
僕はデジタル時計の「自分が間違っていても時間を言い張る」ところが嫌いで、アナログ時計の「どれほど正確でも信じられない」ところが好きだ。それに針が動いてくれる方が残り時間を体感しやすいので、生放送のときはアナログの方が重宝する。
ところで、テレビ放送がデジタル化したおかげで世の中から「テレビの時報」が消えた。デジタル方式だと大きなデータを圧縮して大量の情報を相手に送れるが、受け取る側がそのデータを解凍するための時差があって正確な時報が打てないので、テレビで時計を合わせることは不可能だ。いやはや世の中は便利になるのかしら不便になるのかしら。
※原文のまま
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今、日本の時計メーカーは誤差ゼロの正確さを実現した電波時計やGPS時計の販売に力を入れており、いずれは国産時計の主流になっていくことが予測されます。
でも、私たちの日々の暮らしの中で、そこまで正確な時計を必要とする場面は少なく、多少は違っていても、ほとんどの方が不便を感じることはないと思います。
高所に設置されて時刻修正が大変な掛時計とか、常に正確な時刻を必要とする職業の方以外には、時計とは誤差が生じるもの、進んだり遅れたりしてきたら合わせればいい、そんな昔ながらの時計との付き合い方で十分な気がします。
Posted by 島田市☆村松時計店 at 11:46│Comments(0)
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