2009年11月28日
古い年代のIWCの修理
有名時計ブランドのIWC【インターナショナル・ウォッチ・カンパニー】の修理品の画像です。
10月に島田市のお客様からオーバーホール修理でお預かりし、
時計職人のKさんに仕事を依頼しましたが、自動巻きのローター芯が折れていました。
その後、いろんなルートで部品を探してもらいましたが、古い年代の時計のため、
スイスのIWC本社に送って部品を探してもらうしか方法がなく、しかも確実に部品が
見つかる保証がないことも分かったので、部品の入手を諦めることにしました。
ただ、ローター芯の損傷で自動巻きとしては使用不可能ですが、幸いなことに
ゼンマイを手で巻く、つまり手巻き時計としてなら使用が可能とのことでした。
そして、ここからが時計職人のKさんの良心的、かつ素晴らしいところなのですが、
部品入手不可で修理を取りやめて、ただそのまま返却するのではなく、
手巻き時計として使える状態までは直して、なおかつ無償で返却してくれたのです。
こういった場合、時計メーカーのサービスセンターでしたら、【部品供給終了のため返却】の一言で、
そのまま何もせずに戻ってくるだけなので、その対応の違いたるや、まったく雲泥の差です。
時計の状態によってはそのまま返却になる場合もありますが、やれるだけのことはやる、
そんなKさんの誠実な人柄と、仕事に対する真摯な姿勢に感銘し、私は尊敬の念を深めています。
Posted by 島田市☆村松時計店 at 11:51│Comments(0)
│時計修理